坂口安吾 『木々の精、谷の精』 谷底は、四方が花崗岩の絶壁であつた。 前面の壁は二百米を超えてゐるに相違ない。 流れの上下はいづれも突然曲折して、岩壁の彼方へ流れの姿を消してゐるから、瀞はちやうど古沼のやうにひつそりと、絶壁の底に深い碧の色をたたへてゐるのである。 坂口安吾の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア