然し、修吉が水の色と同じぐらゐに驚いたのは、この谷底へ降る途の葛子の姿態であつた。
彼女もむろん木の幹に突き当つたり、危ふく枝にとりすがつたりすることは変りがないが、同じ苦労の動きにも、こなしが如何にも余裕があつた。
それはこの径に馴れてゐる熟練のせゐと意味が違ふ。
然し、修吉が水の色と同じぐらゐに驚いたのは、この谷底へ降る途の葛子の姿態であつた。
彼女もむろん木の幹に突き当つたり、危ふく枝にとりすがつたりすることは変りがないが、同じ苦労の動きにも、こなしが如何にも余裕があつた。
それはこの径に馴れてゐる熟練のせゐと意味が違ふ。