自分は一段別なところへ置いてしまつてゐるらしい。
修吉はさういふ風に思ひこみたくなるのであつた。
然し葛子の閃く足や、流れる手、走る腰のどの一ヶ所にふと目をとめてしまつただけでも、忽ち怒りも憎しみもただ跡形なく霧散して、想念のすべてのものは、目に泌みわたる冴え/\とした情感にさらひとられてしまふのである。
自分は一段別なところへ置いてしまつてゐるらしい。
修吉はさういふ風に思ひこみたくなるのであつた。
然し葛子の閃く足や、流れる手、走る腰のどの一ヶ所にふと目をとめてしまつただけでも、忽ち怒りも憎しみもただ跡形なく霧散して、想念のすべてのものは、目に泌みわたる冴え/\とした情感にさらひとられてしまふのである。