戻り道、あの峻嶮を小枝に縋つて登りながら、葛子は、後に従ふ修吉に言ふのであつた。
「志緒乃が文学少女だから、この村の若い衆がみんな文学青年になりかけたさうで、うちのパパ、木暮村の村長先生、大弱りです」
秋山家の北面の離れに、親戚の病少年が保養にきてゐた。
戻り道、あの峻嶮を小枝に縋つて登りながら、葛子は、後に従ふ修吉に言ふのであつた。
「志緒乃が文学少女だから、この村の若い衆がみんな文学青年になりかけたさうで、うちのパパ、木暮村の村長先生、大弱りです」
秋山家の北面の離れに、親戚の病少年が保養にきてゐた。