坂口安吾 『木々の精、谷の精』 鬼の角を前後左右に生やしたやうな菱の実を修吉も見た覚えがあつて、奇異な形に一驚した記憶をもつてゐたのであつた。 「これが菱か」と、修吉は日頃知らずに見馴れてゐたその水草をなつかしんだ。 「どれ」修吉は雑草をわけ、沼のふちへ降りようとした。 坂口安吾の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア