この破綻のなさは一面たしかに強味となつてもゐるのであるが、いはゞそれはこの小説がひとつの惚気であり目下のところ、惚気られてもちよつと文句が言へないほど外面的には仰せの通りだ、といふやうな意味である。
石川氏はデカダンスには意識的にふれようとせず、逆へ逆へと急ぎすぎた感がある。
デカダンスの逆なものを急速に欲しすぎて、あまり簡単に家庭の甘さを承認しすぎてゐるやうである。
この破綻のなさは一面たしかに強味となつてもゐるのであるが、いはゞそれはこの小説がひとつの惚気であり目下のところ、惚気られてもちよつと文句が言へないほど外面的には仰せの通りだ、といふやうな意味である。
石川氏はデカダンスには意識的にふれようとせず、逆へ逆へと急ぎすぎた感がある。
デカダンスの逆なものを急速に欲しすぎて、あまり簡単に家庭の甘さを承認しすぎてゐるやうである。