そこで早速おでん屋へ駈けつける。
始めのうちは「息子の嫁に恰度手頃だ」などと息子をとんだ犠牲者にしてせつせと通つてゐた。
息子を道具に使ふとは怪しからん親父だといふ火の手が碁会所に燃え上つたから、兜を脱いで、息子の方を取消して、公然と親父の表看板で立向ふことになつたが、すぐ顔を赧らめるやうな愛すべき人で、学生相手に下手な常磐津を唸つてきかせ、碁は五級だが常磐津は五段だなどと威張つてゐる。
そこで早速おでん屋へ駈けつける。
始めのうちは「息子の嫁に恰度手頃だ」などと息子をとんだ犠牲者にしてせつせと通つてゐた。
息子を道具に使ふとは怪しからん親父だといふ火の手が碁会所に燃え上つたから、兜を脱いで、息子の方を取消して、公然と親父の表看板で立向ふことになつたが、すぐ顔を赧らめるやうな愛すべき人で、学生相手に下手な常磐津を唸つてきかせ、碁は五級だが常磐津は五段だなどと威張つてゐる。