里人に婚礼などがあつて、客用の膳椀などが不足な時に、弾三郎へかけつける。
入用の品目と返済の日をしたゝめた証文を穴の口へ置いてくると、翌日は同じ場所に間違ひなく入用の品々が取揃へてある習慣だつた。
ところが、これも返済しない人達が次第に多くなつたので、弾三郎はたうとう人間を信用しなくなり、物を貸さなくなつて、自然交渉が絶えてしまつたのであつた。
里人に婚礼などがあつて、客用の膳椀などが不足な時に、弾三郎へかけつける。
入用の品目と返済の日をしたゝめた証文を穴の口へ置いてくると、翌日は同じ場所に間違ひなく入用の品々が取揃へてある習慣だつた。
ところが、これも返済しない人達が次第に多くなつたので、弾三郎はたうとう人間を信用しなくなり、物を貸さなくなつて、自然交渉が絶えてしまつたのであつた。