所在なさに掴みあひの喧嘩はするし、女房子供の前でだけは世界で相当の人物のやうなことも言ふし、礼義節度といふものは影も形もとどめてゐなくて、腹蔵なく油断しあひ、いい気になつて人たるものの本分を忘れてゐる。
精神見る影もなく弛緩して、身を亡してしまふのである。
然るに彼等は夜と共に戸を閉ぢ窓を閉ぢることを忘れない。
所在なさに掴みあひの喧嘩はするし、女房子供の前でだけは世界で相当の人物のやうなことも言ふし、礼義節度といふものは影も形もとどめてゐなくて、腹蔵なく油断しあひ、いい気になつて人たるものの本分を忘れてゐる。
精神見る影もなく弛緩して、身を亡してしまふのである。
然るに彼等は夜と共に戸を閉ぢ窓を閉ぢることを忘れない。