自分は当時兄の家に泊つてゐたが、兄は小さな盛り場に食料品店を開いてゐる。
自分は兄が銭湯へでかけた隙に、店と奥にあるだけの現金を掻き集めて飛びだした。
確信ある投機であるから悔いも怖れもないのであるが、自分の兄は天性吝嗇である上に苦労性で、或る時兄の蟇口から三十円抜取つた曲者があるといふので、当時自分の通学中の学校へ現れて自分の動勢を偵察し、自分は危く停学処分を食ふところであつた。
自分は当時兄の家に泊つてゐたが、兄は小さな盛り場に食料品店を開いてゐる。
自分は兄が銭湯へでかけた隙に、店と奥にあるだけの現金を掻き集めて飛びだした。
確信ある投機であるから悔いも怖れもないのであるが、自分の兄は天性吝嗇である上に苦労性で、或る時兄の蟇口から三十円抜取つた曲者があるといふので、当時自分の通学中の学校へ現れて自分の動勢を偵察し、自分は危く停学処分を食ふところであつた。