自分は看護人なにがしの友情によつて、若干の自由――然しこの大いなる不自由の中では莫大な自由――便宜を受けることが時々あつた。
先にもお話したやうに、自分が時に外出することが出来たのも、主としてなにがしの友情のせゐであつたのである。
然らば自分の外出がどのやうにして行はれるかと言へば、概ね夜の十時過ぎ、十一時前後、全病院がまつたく寝静つた後に於て行はれるのが通例で、理由の第一は自分が患者であるためよりも、看護人の夜間無断外出が既に抑々規則を犯すものであるからに外ならない。
自分は看護人なにがしの友情によつて、若干の自由――然しこの大いなる不自由の中では莫大な自由――便宜を受けることが時々あつた。
先にもお話したやうに、自分が時に外出することが出来たのも、主としてなにがしの友情のせゐであつたのである。
然らば自分の外出がどのやうにして行はれるかと言へば、概ね夜の十時過ぎ、十一時前後、全病院がまつたく寝静つた後に於て行はれるのが通例で、理由の第一は自分が患者であるためよりも、看護人の夜間無断外出が既に抑々規則を犯すものであるからに外ならない。