深川区なにがし町なにがし番地オペラ劇場主人なんとかの草石といふ雅号を刷つた大型の名刺を所持に及んでゐる、何のためだか知らないが、かうやつて時々なにがし商店の店先へ顔をだすのである。
それから勝手に店内へ上りこんで、自分の小屋へしよつちうかかる浪花節の口調でもつて時局や外交問題などを一席弁じ、いつのまにやら又消えてゐる。
この先生が手紙のことを小耳にはさんで、これこそ天の与へたものだとそッと懐中へ忍ばせてしまつた。
深川区なにがし町なにがし番地オペラ劇場主人なんとかの草石といふ雅号を刷つた大型の名刺を所持に及んでゐる、何のためだか知らないが、かうやつて時々なにがし商店の店先へ顔をだすのである。
それから勝手に店内へ上りこんで、自分の小屋へしよつちうかかる浪花節の口調でもつて時局や外交問題などを一席弁じ、いつのまにやら又消えてゐる。
この先生が手紙のことを小耳にはさんで、これこそ天の与へたものだとそッと懐中へ忍ばせてしまつた。