月給なども出来るだけは致しまするが、然しこの月給などといふものはどのみちほんの些細なもので、これは霊感の大小によりまして、その都度配当を差上ることに致さうと斯様考へてをります。
で、店へ来て働いていただくに当りまして、この、霊力ある御方を俗人の分際で試験致すなど申上げては、こやつ陽気の加減で少々のぼせが来てゐるやうだなと定めし御心外のことかと存じまするが、なんと申しましてもわたくし共俗人眼識がありませんので、一応試験のやうなことを致さなくては人の値打が分りません。
いやはや、思ふだに笑止の次第で、話が逆でありまするが、なんに致せこれが俗人社会の慣例で、かう致さなくては我々人が使へぬといふ生れつき無力無能に出来てをります」