この天主堂は千八百六十五年(慶応元年)二月十九日落成した。
その年の三月十七日のことであつた。
正午頃十四五人の男女が訪ねてきたが、常の見物人とは何やら様子が変つてゐるので、プチジャン神父は彼等を堂内へ伴ひ入れ、ひそかに彼等の様子を見てゐると、彼等はマリヤの像を認め、あゝ、サンタマリヤと口々に叫ぶや跪いて祈念の姿勢をするではないか。
この天主堂は千八百六十五年(慶応元年)二月十九日落成した。
その年の三月十七日のことであつた。
正午頃十四五人の男女が訪ねてきたが、常の見物人とは何やら様子が変つてゐるので、プチジャン神父は彼等を堂内へ伴ひ入れ、ひそかに彼等の様子を見てゐると、彼等はマリヤの像を認め、あゝ、サンタマリヤと口々に叫ぶや跪いて祈念の姿勢をするではないか。