小さなトランクではあつたが、千枚ばかりの原稿用紙だけが荷物で、大きすぎるくらゐであつた。
いらない、と言つたが、金に困つた時、これを売つてもいくらかになるだらうから、と無理に持たされた。
書きかけの長篇ができ次第、竹村書房から出版することになつてゐたので、京都行きを伝へるために電話をかけたが、不在であつた。
小さなトランクではあつたが、千枚ばかりの原稿用紙だけが荷物で、大きすぎるくらゐであつた。
いらない、と言つたが、金に困つた時、これを売つてもいくらかになるだらうから、と無理に持たされた。
書きかけの長篇ができ次第、竹村書房から出版することになつてゐたので、京都行きを伝へるために電話をかけたが、不在であつた。