いらない、と言つたが、金に困つた時、これを売つてもいくらかになるだらうから、と無理に持たされた。
書きかけの長篇ができ次第、竹村書房から出版することになつてゐたので、京都行きを伝へるために電話をかけたが、不在であつた。
その晩は尾崎士郎の家へ一泊し、翌日、竹村書房の大江もそこへ来てくれて、送別の宴をはらうといふわけで、尾崎さん夫妻が、大江と僕を両国橋の袂の猪を食はせる家へ案内してくれた。
いらない、と言つたが、金に困つた時、これを売つてもいくらかになるだらうから、と無理に持たされた。
書きかけの長篇ができ次第、竹村書房から出版することになつてゐたので、京都行きを伝へるために電話をかけたが、不在であつた。
その晩は尾崎士郎の家へ一泊し、翌日、竹村書房の大江もそこへ来てくれて、送別の宴をはらうといふわけで、尾崎さん夫妻が、大江と僕を両国橋の袂の猪を食はせる家へ案内してくれた。