それに、一陽来復を希ふ人生の落武者が稲荷のまはりにしがない生計を営んでオミクヂばかり睨んでゐるし、せまい参道に人の流れの絶え間がなくとも、流れの景気に浮かされてゐる一人の人間もゐないのだ。
然し、僕の住む弁当屋は、その中でも頭抜けてゐた。
弁当は一食十三銭で、労働者でも満腹し、僕は一日二食であつた。
それに、一陽来復を希ふ人生の落武者が稲荷のまはりにしがない生計を営んでオミクヂばかり睨んでゐるし、せまい参道に人の流れの絶え間がなくとも、流れの景気に浮かされてゐる一人の人間もゐないのだ。
然し、僕の住む弁当屋は、その中でも頭抜けてゐた。
弁当は一食十三銭で、労働者でも満腹し、僕は一日二食であつた。