僕も乗気で、下手な字で看板を書いてやらうと思つたら、日頃は大ケチの親爺まで、無理に僕の手を押しとゞめ、看板屋へ自ら頼みにでかけるといふ打込み方であつた。
この看板屋が又、絵心があるといふのか、袋小路のどん底の傾いて化け物の現れさうな碁席であつたが、白塗りに赤字でぬき、華車な書体で、美術倶楽部と間違へさうな看板だつた。
親爺は満悦、袋小路の入口へぶらさげ、停留場を降りると、誰の目にもつくのである。
僕も乗気で、下手な字で看板を書いてやらうと思つたら、日頃は大ケチの親爺まで、無理に僕の手を押しとゞめ、看板屋へ自ら頼みにでかけるといふ打込み方であつた。
この看板屋が又、絵心があるといふのか、袋小路のどん底の傾いて化け物の現れさうな碁席であつたが、白塗りに赤字でぬき、華車な書体で、美術倶楽部と間違へさうな看板だつた。
親爺は満悦、袋小路の入口へぶらさげ、停留場を降りると、誰の目にもつくのである。