近所にチヌの浦孤舟といふ浪花節の師匠がゐて、この近辺では一番強く、ヘボ倶楽部を吹聴した発頭人であつたが、まもなく再び碁会所へ現れるやうになり、僕も互先で打つやうになつた。
東京を捨てたとき胸に燃してゐた僕の光は、もう、なかつた。
いや、この袋小路の弁当屋へ始めて住むことになつた時でも、まだ、僕の胸には光るものが燃えてゐた筈だつたのだ。
近所にチヌの浦孤舟といふ浪花節の師匠がゐて、この近辺では一番強く、ヘボ倶楽部を吹聴した発頭人であつたが、まもなく再び碁会所へ現れるやうになり、僕も互先で打つやうになつた。
東京を捨てたとき胸に燃してゐた僕の光は、もう、なかつた。
いや、この袋小路の弁当屋へ始めて住むことになつた時でも、まだ、僕の胸には光るものが燃えてゐた筈だつたのだ。