東京を捨てたとき胸に燃してゐた僕の光は、もう、なかつた。
いや、この袋小路の弁当屋へ始めて住むことになつた時でも、まだ、僕の胸には光るものが燃えてゐた筈だつたのだ。
隣りの二階は女給の宿で赤い着物がブラ下り、その下は窓の毀れた物置きで、その一隅に糸くり車のブン/\廻る工場があつた。
東京を捨てたとき胸に燃してゐた僕の光は、もう、なかつた。
いや、この袋小路の弁当屋へ始めて住むことになつた時でも、まだ、僕の胸には光るものが燃えてゐた筈だつたのだ。
隣りの二階は女給の宿で赤い着物がブラ下り、その下は窓の毀れた物置きで、その一隅に糸くり車のブン/\廻る工場があつた。