いや、この袋小路の弁当屋へ始めて住むことになつた時でも、まだ、僕の胸には光るものが燃えてゐた筈だつたのだ。
隣りの二階は女給の宿で赤い着物がブラ下り、その下は窓の毀れた物置きで、その一隅に糸くり車のブン/\廻る工場があつた。
裏手は古物商の裏庭で、ガラクタが積み重り、二六時中拡声器のラヂオが鳴りつゞけ、夫婦喧嘩の声が絶えない。
いや、この袋小路の弁当屋へ始めて住むことになつた時でも、まだ、僕の胸には光るものが燃えてゐた筈だつたのだ。
隣りの二階は女給の宿で赤い着物がブラ下り、その下は窓の毀れた物置きで、その一隅に糸くり車のブン/\廻る工場があつた。
裏手は古物商の裏庭で、ガラクタが積み重り、二六時中拡声器のラヂオが鳴りつゞけ、夫婦喧嘩の声が絶えない。