親爺は主婦への面当てから、それを倅の出世のやうに喜んで、下僕のやうに扱はれながら顧問のやうに相好くづしてゐるのである。
ところで、ついぞ来たこともない親爺の家へやつて来てどういふ用事があるかと思へば、師団へ納める八ツ橋の箱をつめてくれ、と言ふのである。
ボール紙の小箱へつめて、十銭だか、十二銭だかで納めるのだが、この箱づめが一箱一厘、即ち十箱一銭、で百つめて、やうやく十銭といふ賃銀だ。
親爺は主婦への面当てから、それを倅の出世のやうに喜んで、下僕のやうに扱はれながら顧問のやうに相好くづしてゐるのである。
ところで、ついぞ来たこともない親爺の家へやつて来てどういふ用事があるかと思へば、師団へ納める八ツ橋の箱をつめてくれ、と言ふのである。
ボール紙の小箱へつめて、十銭だか、十二銭だかで納めるのだが、この箱づめが一箱一厘、即ち十箱一銭、で百つめて、やうやく十銭といふ賃銀だ。