トラックが袋小路の入口へ横づけになり、寝間と茶の間に八ツ橋の山が築かれ、関さんもノンビリさんも召集される。
然し、関さんは二十つめると、二階に客が来ましたさかいに、と逃げてしまひ、ノンビリさんは物の五ツとやらないうちに、うち、朝からなんや気分が悪うて、貧血が来さうやさかい、と、これも二階へ逃げのび、布団を被つて、ねてしまつた。
それ以来、ノンビリさんは全然八ツ橋に手をださず、関さんは親爺にくどく言はれた時だけ、十ぐらゐづゝやりかけて、客があるとか、今日は外に用があるとか言ひつくろつて逃げてしまふ。