けれども親父は僕の部屋をまるで自分の知らない家のやうなびつくり眼で見廻したり、窓から比叡の山々を生れて始めてのやうに眺めたり、先生、あの山になんや赤い物が見えまんなア、なんやらうな、ほんまに……などゝ言つて、僕がウンと言ふまではいつかな動かない。
仕方なしに娘の手紙一山、まつたく一山、とり出させて、手掛りを探した。
不良少女同志の文通といふものを僕は始めて読んだが、度胆をぬかれてしまつた。
けれども親父は僕の部屋をまるで自分の知らない家のやうなびつくり眼で見廻したり、窓から比叡の山々を生れて始めてのやうに眺めたり、先生、あの山になんや赤い物が見えまんなア、なんやらうな、ほんまに……などゝ言つて、僕がウンと言ふまではいつかな動かない。
仕方なしに娘の手紙一山、まつたく一山、とり出させて、手掛りを探した。
不良少女同志の文通といふものを僕は始めて読んだが、度胆をぬかれてしまつた。