けれども、如何ほど深い寂寥であるにしても、それが何程のことであらうか。
自分一人の始末だけでもするがいゝ。
情緒の問題は末の末で、この食堂では、家出した娘の脱けた空虚などは一向に目立たず、四十女の肉体が亡魂となつて部屋いつぱいうろつき廻つてゐるではないか。
けれども、如何ほど深い寂寥であるにしても、それが何程のことであらうか。
自分一人の始末だけでもするがいゝ。
情緒の問題は末の末で、この食堂では、家出した娘の脱けた空虚などは一向に目立たず、四十女の肉体が亡魂となつて部屋いつぱいうろつき廻つてゐるではないか。