宿屋のヲバサンは僕のことを聖人だなどゝ言ひ、トンカツ屋のオカミサンは僕が毎晩酒を飲むのだといふことをきいても決して信用しない始末であり、青年団の模範青年は、ある日僕が金に困つてどうしても質屋へ行く必要があり、その案内を頼んだところ、蟇口をもつて追つかけて来て、無理矢理二十円押しつけて行く始末であつた。
まつたく不思議な話である。
どうしてこんな信頼を博したかといふと、総理大臣の気焔に身を切られる思ひで、くさり果てゝゐたからであつた。
宿屋のヲバサンは僕のことを聖人だなどゝ言ひ、トンカツ屋のオカミサンは僕が毎晩酒を飲むのだといふことをきいても決して信用しない始末であり、青年団の模範青年は、ある日僕が金に困つてどうしても質屋へ行く必要があり、その案内を頼んだところ、蟇口をもつて追つかけて来て、無理矢理二十円押しつけて行く始末であつた。
まつたく不思議な話である。
どうしてこんな信頼を博したかといふと、総理大臣の気焔に身を切られる思ひで、くさり果てゝゐたからであつた。