先頃、文芸銃後運動の講演会か何かゞあつて、壇上の諸家が期せずして一人も文学を語らなかつたといふので、この事実に非常に感動した文章を書いてゐた作家があつたけれども、僕にはどうも不思議な気持がするばかりで腑に落ちないこと夥しい。
文学が直接戦争の役に立たないことは僕も承知してゐるから余り大きなことを言ふ元気はないのだけれども、これぐらゐ美事に自分の職業を卑下されると、いさゝかならず面喰ふ。
なぜこの作家が潔く文士を廃業しないのか理解できぬ。
先頃、文芸銃後運動の講演会か何かゞあつて、壇上の諸家が期せずして一人も文学を語らなかつたといふので、この事実に非常に感動した文章を書いてゐた作家があつたけれども、僕にはどうも不思議な気持がするばかりで腑に落ちないこと夥しい。
文学が直接戦争の役に立たないことは僕も承知してゐるから余り大きなことを言ふ元気はないのだけれども、これぐらゐ美事に自分の職業を卑下されると、いさゝかならず面喰ふ。
なぜこの作家が潔く文士を廃業しないのか理解できぬ。