君子は危きに近よらずといふ規則であるから、ガランドウ(駅前のペンキ屋)へ行つて助太刀をたのんだ。
ガランドウは菓子屋の屋根の上で看板を書いてゐたが、書きかけの一字だけで仕事をやめてしまひ、十六の倅に金棒と金鎚とヤットコと木刀をズックの袋につめて持たせ、僕の庵へやつてきた。
けれども、一時間ぐらゐ過ぎてゐたから、泥棒は雨戸を開けて逃げたあとで、先生も慌てゝゐたものと見えて、二包みの荷物をつくつてゐたが、それを忘れて行つた。
君子は危きに近よらずといふ規則であるから、ガランドウ(駅前のペンキ屋)へ行つて助太刀をたのんだ。
ガランドウは菓子屋の屋根の上で看板を書いてゐたが、書きかけの一字だけで仕事をやめてしまひ、十六の倅に金棒と金鎚とヤットコと木刀をズックの袋につめて持たせ、僕の庵へやつてきた。
けれども、一時間ぐらゐ過ぎてゐたから、泥棒は雨戸を開けて逃げたあとで、先生も慌てゝゐたものと見えて、二包みの荷物をつくつてゐたが、それを忘れて行つた。