鉄砲だの、時計だの、新式の航海術、天文、医学、万事に博学多識の南蛮の白坊主共が、神様といふと目の色を変へて霊魂の不滅だの最後の審判などと埒もないことを吹聴する。
利巧な奴らであるから然るべき魂胆あつての策略だと信長は見込んでゐたが、ある日、オルガンチノといふバテレンを別室に呼び入れ、侍臣全部遠ざけておいて、さて、お前も商売だから本当のことを打開けては障りがあらうが、然し、今日は家来一同遠ざけたから腹蔵なく語るがよい。
天主だのアニマの不滅などといふのは俗人共をたぶらかす方便だらうな、ときりだした。