十年も潜伏してでるために、それと梅毒とは別なものだというように、相当文明開化の時代になっても考えられていたのだ。
まして酒の副作用で翌朝酔いがさめてから陰鬱になるというようなことが昔の人々に知りうるわけはなく、酒の力はその酒をのみ直接きいて愉しい時だけが作用の全部で、酒こそはたのしいもの、酔って泣くことはあっても、それ又たのしく、陰鬱なフツカヨイの如きは別の何かで、又酒をのめばそんなものは吹きとぶではないか。
そう思われていたに相違ない。
十年も潜伏してでるために、それと梅毒とは別なものだというように、相当文明開化の時代になっても考えられていたのだ。
まして酒の副作用で翌朝酔いがさめてから陰鬱になるというようなことが昔の人々に知りうるわけはなく、酒の力はその酒をのみ直接きいて愉しい時だけが作用の全部で、酒こそはたのしいもの、酔って泣くことはあっても、それ又たのしく、陰鬱なフツカヨイの如きは別の何かで、又酒をのめばそんなものは吹きとぶではないか。
そう思われていたに相違ない。