坂口安吾
急行列車が駅にとまると、二人か三人の私服刑事らしき人物が車内の人物の面相を読みつつ窓の外を通りすぎる。
私の終戦後の遠距離旅行はこの正月からのことであるから、こういう人物の駅々の影のような出迎えがいつごろから始まったのか知らないが、月を追うてこの出迎えが厳重に、どの駅でも規則正しく行われるようになってきた。
坂口安吾
急行列車が駅にとまると、二人か三人の私服刑事らしき人物が車内の人物の面相を読みつつ窓の外を通りすぎる。
私の終戦後の遠距離旅行はこの正月からのことであるから、こういう人物の駅々の影のような出迎えがいつごろから始まったのか知らないが、月を追うてこの出迎えが厳重に、どの駅でも規則正しく行われるようになってきた。