その秘密が重大で隠す必要があるのは、それぐらい現実的で生々しくて、つまり時間的に遠からぬ短期間のうちに起った問題だということで、つまり隠すべき重大な秘密が国譲りやクーデタや戦争なら、その全部がとにかく遠からぬ事件である。
そして神話も天皇紀も、ダブリにダブらせて、その重大なことを、あの神様、あの天皇、あの悪漢にと分散してかこつけて、くりかえし、くりかえし、手を代え、品を代えて多くの時代の多くの人物にシンボライズした。
それは正しい真相を知る者がよんでも、どこかで正しい真相とひッかかりがあって、彼らをも、また自分の良心をも、どこかで満足させる必要があったせいだろう。