だから日本の古代史だって、恐らく当時のレッキとした王様に相違ないものがクマソとかエミシとか土グモとかと、まるで怪物でも退治したように遠慮会釈なく野蛮人扱いにされて、アベコベに退治した方の側はいつも光りかがやく英雄と相成っているではないか。
むろん統治の方便として、それだけでは済まないから、一応は敵を野蛮人に扱っておいても、同時にその土豪の子孫や帰順者の首長を国ツ神に仕立てて統治者の一族の如くにしてやることも必要であろう。
しかるに両面神話は、その最も主要な問題が肉親間の相続争いを各時代の悲劇として美化するだけのものではなくて、両面の一方には他人も含まれている。