史上に前例もないし、これほどの大事件が異国にあったこともきかないから、どういうことに相なって、日本の悲劇になるか慶事になるか、誰にしても分る筈はないのである。
事、宝塚少女歌劇に関する限り、少女歌劇そのものはすでに私が実地見学の次第を申上げたように、決して大それたものでもないし、畸形なものでもないし、まア一般に全ての人がたのしめる程度にまッとうでまとまりのある劇団だ。
複雑な風雲と謎をはらんでいるのは目下宝塚を占領中の女兵隊難民諸嬢で、少女歌劇が自分だけの所有でなくなった場合に何物になっていずこへ行くかという怪ホーキ星の進路のような物騒で予測しがたい問題がのこっているだけである。