もッとも彼は真ッ昼間というのに酒に酔っ払ってふらついていたから、顔の色は抜けるように白いというわけには参らずタコの面色を呈していたし、酔っているから若干ロレツもまわらないし、それにともなってお行儀の方も甲や乙や優や良というわけにはいかなかったが、それは整然たるヘルプ紳士のお行儀として失格しているだけのことで、ただの酔っ払いのお行儀としてなら充分見どころがあったのである。
塩ガマ神社の裏参道にトグロをまいているだけのことはあって、ヘルプ紳士の荒ミタマあるいはヘルプ紳士のスサノオノミコトというところであった。
秋田犬保存会長はこういうお行儀のわるいスサノオノミコトではなかったのである。