衛生思想の行きとどいたところは実に見るべきであるけれども、亭主が伝染病になった時にも真にカイホウする者はその妻女である、という、これは規則や法律ではなく、単なる市井の通俗人情にすぎないけれども、かかる通俗人情が完璧にそなわらない純粋理性的細君というのに対しては、その亭主たる者は彼女をいかにモテナスべきであるか?
かのイマヌエル・カント氏すら純粋理性を哲学的にはモテナスことができても、すでにその細君には散々だったんだからね。
わが哀れなクリーニング氏がいかにモテナシに窮し、また、日夜モテナシに腐心するところがあったか。