その中大内が“家の中に誰かいる”といったので驚きそのまゝ裏の方に逃げ約三丁程はなれた西方の神社まで夢中で逃げ、そこでもっていた袋を“こんなものを持っていると怪しまれる”と道路の側に捨てた(下略)」と述べ、次の四点について不満をもらしている。
①高橋の内妻吉田照子を証人によんでくれといったのに何故よばなかったか、②二人は当夜泥足で行ったのだから畳に足跡がついているはずだ、③大内が後から抱くようにして首を絞めたとすれば大内の着衣に血が着いていなければならぬ、④捜査主任は何故私に法廷でこの供述書に書いてある事をひっくり返す様な事をしてくれるなといったか。
――しかし大内小林の二人についても、二人がヤミの取引なので「昼は具合が悪いから夜来る」と爺さんに話していたにしても、深夜二時頃というのはあまりにも常識外れではないかというような疑問が残らぬわけではない。