日本人は外国のことを知らずに一人ぎめの国粋主義者が多いから、日本犬というものを大そう買いかぶっているけれども、日本犬というものぐらい手に負えないバカ犬はないのである。
一生一人の主人にしかなつかない、二主に仕えず、という、なるほど日本のサムライの賞讃を博するに適した犬であるけれども、日本人はバカでも忠義なのが何よりだと考えて、バカということを問題にしていないから、共同の作業をやらせると大変なことになってしまう。
主人だけに仕えるということは、主人の命令でないと動かん、主人が居ないと一人前、イヤ、一犬前には立居振舞いができんということで、主人と合せてようやく一犬前、主人が居て命令し、犬はその顔色をよんでから動きだすことになる。