すべての人間は愚か、自分にさえできる事なら語りたくないほど情ない心持でひょろひょろしていた。
だから長蔵さんが人を周旋する男にも似合わず、自分の身元について一言も聞き糺さなかったのは、変と思いながらも、内々嬉しかった。
本当を云うと、当時の自分はまだ嘘をつく事をよく練習していなかったし、ごまかすと云う事は大変な悪事のように考えていたんだから、聞かれたら定めし困ったろうと思う。
すべての人間は愚か、自分にさえできる事なら語りたくないほど情ない心持でひょろひょろしていた。
だから長蔵さんが人を周旋する男にも似合わず、自分の身元について一言も聞き糺さなかったのは、変と思いながらも、内々嬉しかった。
本当を云うと、当時の自分はまだ嘘をつく事をよく練習していなかったし、ごまかすと云う事は大変な悪事のように考えていたんだから、聞かれたら定めし困ったろうと思う。