剣というものはツカと刃がきまっていて、攻撃は一点からしか起らないが、杖は全部がツカでも刃でもあるし槍でもあり、剣のつもりで一点を見ていると、上下左右の思わざるところから攻撃が起り、まるで百本の杖に攻められているような幻惑をうける。
その上、両手の幅と頭上へ手をのばした高さがあれば使えるから三畳の室内で自由に術をふるうことができる。
棒を刀のように振り廻すものとでも考えたら大マチガイで、まるで棒が手中に吸いこまれて、前後左右上下の諸方から無際限に目にもとまらぬ早さでとびだし襲いかかってくるものと思い知っておかねばならぬ。