檀君らは、小生を最年長の故によって、事々に代表者とあがめ、ために私は雪上にハダカで演説もしなければならなかったし、坑内千五百尺の底においてアッサク空気のドリルをつかい、またダイナマイトを爆発させなければならなかった。
ところが私は戦争で気がたっていたせいか易々これらをなしとげ、まったく動じる色がなかったので、採鉱課長が公式の席において「坂口氏は当炭坑が坑夫として採用したい唯一の人材である」というような讃辞を呈し、私はまたそれに答えて
「落盤事故がなかったのは、小生のイカンと致すところである」というように述べておいた。