なるほどにわかに春めいた陽気であるが、よもぎはともかくとして戦争中雑草を食わねばならなかった日々のことを考えると、あのころは人はやせ、しかし天はうららかであったことを思う。
人間の記憶というものは妙なもので貧乏時代の苦しいときを思い出しても、それにつれて浮び出てくるお天気はいつもいいお天気のことしか記憶にない。
「人間の過去はいつでも晴天らしいや」と私は近ごろふと思った。
なるほどにわかに春めいた陽気であるが、よもぎはともかくとして戦争中雑草を食わねばならなかった日々のことを考えると、あのころは人はやせ、しかし天はうららかであったことを思う。
人間の記憶というものは妙なもので貧乏時代の苦しいときを思い出しても、それにつれて浮び出てくるお天気はいつもいいお天気のことしか記憶にない。
「人間の過去はいつでも晴天らしいや」と私は近ごろふと思った。