ミヤ子は結婚ができない理由として、右平が二人を殺すであろうということと、そうでなくとも右平はグズ弁を消すために狙っているということを強調するのであった。
そして溜息をもらして、もしも右平さえ居なければあんたと一しょになれるのに、といかにも切なく云うのであったが、それが彼女のいつものキマリ文句であるところを見れば、恐らく右平が結婚の申込みをするたびに、彼にも同じキマリ文句で返事をしているに相違ない。
さすれば結婚の邪魔者と見てグズ弁を消すために右平がつけ狙っているというのは、右平の意志となる以前に、ミヤ子の意志からでたものでなければならない。