書き終つた物語は、ただ陰惨で、まつくらで、救ひがなく、作者は呆然とし、絶望しました。
「吹雪物語」を読む人は、ただ、悔恨と、咒詛と、疑惑と、絶望と、毒を読みとるにすぎないでせう。
けれども、あれを書きながら、私が一途に念じつづけてゐたことは、美しい、ゆたかな、幸福な物語といふ、ただ、この一事のみなのでした。
書き終つた物語は、ただ陰惨で、まつくらで、救ひがなく、作者は呆然とし、絶望しました。
「吹雪物語」を読む人は、ただ、悔恨と、咒詛と、疑惑と、絶望と、毒を読みとるにすぎないでせう。
けれども、あれを書きながら、私が一途に念じつづけてゐたことは、美しい、ゆたかな、幸福な物語といふ、ただ、この一事のみなのでした。