熊襲踊りは怖ろしい熊襲の面をかぶって性交の身ぶりのあげくぶっ倒れ悶絶の様を示すような珍妙な踊りだそうであるが、それが日向では自嘲とかデカダンを感じさせず、純粋に人生の幸、生きることの幸を感じさせるところに明るさや大らかさや清潔さがにじみでてくるのかも知れない。
しかも日向の男の感覚や神経は案外女性的で、開放的ではあるがデリケートであり、そんなところにも古い世からの遊芸人の血筋を見ることができるような気がするのだ。
高天原の伝説なぞというものはこういうノンキでクッタクのすくない連中が、いつのまにか自分のふるさとの伝説につくりあげてしまったばかりでなく、一々地名をつくりあわせ、天の岩戸をつくったり、念には念を入れて悦に入っていた連中の残した仕業のような気がするのだ。