葛巻の起居していた二階八畳の青い絨毯など特に僕の呪ったもので、あの絨毯の陰気な色を考えると、方向を変えて、ほかの所へ行きたくなってしまったものだ。
この絨毯は、僕の記憶に誤りがなければ、芥川全集の最初の版の表紙に用いた青布の残りで、部屋いっぱい敷きつめると、汚れたような黒ずんだ青だ。
実に陰鬱な絨毯だ、よしたまえよ、と言って、あの頃も頻りに呪って、でも君、葛巻少年、実際彼は少年貴族という感じであったが、そういう時には急にクスリと老人のような笑い方をして言葉を濁す習慣であった。
葛巻の起居していた二階八畳の青い絨毯など特に僕の呪ったもので、あの絨毯の陰気な色を考えると、方向を変えて、ほかの所へ行きたくなってしまったものだ。
この絨毯は、僕の記憶に誤りがなければ、芥川全集の最初の版の表紙に用いた青布の残りで、部屋いっぱい敷きつめると、汚れたような黒ずんだ青だ。
実に陰鬱な絨毯だ、よしたまえよ、と言って、あの頃も頻りに呪って、でも君、葛巻少年、実際彼は少年貴族という感じであったが、そういう時には急にクスリと老人のような笑い方をして言葉を濁す習慣であった。