彼の気風心事は王朝さながら、之に対する僕の心事に至っては粗放蕪雑、野武士の心事の如くである。
天下に名を為したいということだけで目がくらみ、自家の菲才浅学の如きを恬として念頭におきたがらぬ。
この家の自殺したあるじに本能的な敵意を懐いてしまったのも、たまたまあるじの書斎を本拠としたために世人の買い被りを受けたような風説となり、あたら槍一筋の手柄に傷をつけては残念だという向う見ずな意気込みによるものであった。
彼の気風心事は王朝さながら、之に対する僕の心事に至っては粗放蕪雑、野武士の心事の如くである。
天下に名を為したいということだけで目がくらみ、自家の菲才浅学の如きを恬として念頭におきたがらぬ。
この家の自殺したあるじに本能的な敵意を懐いてしまったのも、たまたまあるじの書斎を本拠としたために世人の買い被りを受けたような風説となり、あたら槍一筋の手柄に傷をつけては残念だという向う見ずな意気込みによるものであった。