天下に名を為したいということだけで目がくらみ、自家の菲才浅学の如きを恬として念頭におきたがらぬ。
この家の自殺したあるじに本能的な敵意を懐いてしまったのも、たまたまあるじの書斎を本拠としたために世人の買い被りを受けたような風説となり、あたら槍一筋の手柄に傷をつけては残念だという向う見ずな意気込みによるものであった。
己れの愛情に就て葛巻は至極率直で、この愛情は一方的な片思いにすぎないのだが、葛巻は万事友人に隠しておらぬ。
天下に名を為したいということだけで目がくらみ、自家の菲才浅学の如きを恬として念頭におきたがらぬ。
この家の自殺したあるじに本能的な敵意を懐いてしまったのも、たまたまあるじの書斎を本拠としたために世人の買い被りを受けたような風説となり、あたら槍一筋の手柄に傷をつけては残念だという向う見ずな意気込みによるものであった。
己れの愛情に就て葛巻は至極率直で、この愛情は一方的な片思いにすぎないのだが、葛巻は万事友人に隠しておらぬ。