私の母を苦しめたのは貧乏と私だけではないので、そのころは母に持病があって膀胱結石というもので時々夜となく昼となく呻り通している。
そのうえ、私の母は後妻で、死んだ先妻の子供に母といくつも年の違わぬ三人の娘があり(だから私の姉に当るこの三人の人達の子供、つまり私には姪とか甥に当る人達が実は私よりも年上なのである)この三人のうち上の二人が共謀して母を毒殺しようとしモルヒネを持って遊びにくる、私の母が半気違いになるのは無理がないので、これがみんな私に当ることになる。
私は今では理由が分るから当然だと思うけれども、当時は分らないので、極度に母を憎んでいた。