ウロウロ悄然としてまだどこかにお金でもあるが如くに懐をかきまわす時に至って、かねてお金持の文士の方がチッとも騒がずオモムロに懐中からズッシリふくらんだ財布をとりだすということになる。
三枝庄吉も亦、真ッ先に慌てふためいて蟇口をとりだす組で、然しこの組の連中ほど貧のつらさ、お金の有難さを骨身にしみて知る者はない。
そのくせこの連中の蟇口の中のお金にはみんなそれぞれ脚が生えて我先にとびだし駈け去るシクミだから、まことに天下はままならぬ。
ウロウロ悄然としてまだどこかにお金でもあるが如くに懐をかきまわす時に至って、かねてお金持の文士の方がチッとも騒がずオモムロに懐中からズッシリふくらんだ財布をとりだすということになる。
三枝庄吉も亦、真ッ先に慌てふためいて蟇口をとりだす組で、然しこの組の連中ほど貧のつらさ、お金の有難さを骨身にしみて知る者はない。
そのくせこの連中の蟇口の中のお金にはみんなそれぞれ脚が生えて我先にとびだし駈け去るシクミだから、まことに天下はままならぬ。